声優アイドル論 id:tori_nekoさん(12/13・14日)  [FROM:山口在住者のヲタ雑記]

声優のアイドル化に対して、嫌悪感を持ってた時期もあったけど、今はむしろ肯定派。書き始めると長くなるので、簡潔に意見を出すと、「声優の仕事さえしていれば、何やろうと個人の勝手である」ということと、「アイドル声優の量産化によって、声優業界はマイナスになっていない」の2点。


声優が、俳優の延長である以上「声優たるもの、アフレコ以外の仕事をしてはいけない」という狭義は通用しないわけですから、声優がCDを出そうがドラマで顔出ししようが関係ないと思います。ギャラの安い業界で、副収入なしで生活できている専業声優なんて、1割に満たないでしょう。その副収入がCDの売り上げであっても、アルバイト収入であっても、大差はないです。


個人的に、演技力なんていうものは、はじめから備わっているものだなんて思っていません。初レギュで唖然とするほど下手な演技をしていた人でも、たった1〜2年の経験で、驚くほど演技力に幅が出てくる人は多いです。そして本当に演技力の付かない人は、10年後に声の仕事はないでしょうし、実力さえあるならば、遅咲きすることだって考えられ、5年ぶりに名前を聞く人だっているわけです。


ただ別の言い方をすると、どれだけメディアの露出が多くても、実際に声の仕事をしていない人(もしくは、仕事の取れなくなる人)はいるわけで、そういう人がいくら「自称声優」を唱えても、個人的な位置づけの中では声優ではく、ただの「一般には売れていない歌手」やら「ラジオパーソナリティー」になってしまいます。しかし、アニメの声を当てることだけが「個人の持つ資質」の総てではないので、舞台役者や芸能界から声優業界へ入ることも、声優業界を入り口に、歌手やTV顔出しへ転身することも否定しません。(成功例は少ないですが・・・) 


アイドル声優の量産化のついてですが、売れるんだから仕方ないです。マーケットがなくなれば、消えるでしょう。逆に言うと、今のアニメ量産体制に、声優が関わってないとは言えません。DVDやCDで売り上げが出たから、今日のアニメ量産体制に至り、声優の活躍する場を多くしたのだと考えます。その場の増加が、アイドル声優量産化に繋がっています。もし声優に対する意識が、93年以前の状態のまま現在に来ていたら、「声優になりたい人なんて極わずか」、「少子化でテレビ局がアニメを放送しなくなる」「アニメ声優というジャンルの消滅」というのも考えられなくはないですよ。(アニメの質低下云々は、アニヲタではないのでノーコメント)


「今の業界(ファン、製作会社、声優を扱うマスメディア)の扱い」ですが、少なくとも「声優グランプリ」は、顔出し声優が出てきたため発刊された雑誌のはずです。発刊当時からそういうコンセプトなので、顔出し声優専門誌ととって間違いではないです。逆に言うと、そういう雑誌が発刊されていること自体、業界として活気がある証拠ともいえます。ファン・・・というのは、何を好きになっても勝手でなんとも言えません。ただ自分の場合は、声優が出ているラジオ番組を聴かなければ、声優業界そのものに興味を示さず人生を終えたはずで、アニメ業界にお金を入れることはなかったでしょう。


以上の観点から、「顔出し」についても、自分を売りに出すプロモーション手段なので否定はしません。理系的な考え方で申し訳ないですが、「どれだけ立派な技術でも、人に分かってもらえなければ価値はない」のです。「どれだけ素晴らしい商品でも、知ってもらわないと意味がない」のです。日本国の社会上、プレゼンテーション能力とか、俗に言う営業力というのは、どんな業界でも必要であり、声優業界だけ例外なはずがありません。歌がうまけりゃ、全員が歌手になれるか?といわれると、それは違うわけで、アイドル路線を行くも行かないかも、1つの競争手段として適切と考えます。


ただ事務所の方向性だけで、可能性の芽を摘んでしまうのは非常によくないと思っています。それはこの1年で非常に実感しましたよ・・・(苦笑)


簡潔にまとめたつもりですが、長くなってしまった・・・ (´Д`;) 。「皮肉を込めて」とか、他人を中傷することが前提な表現がいくつかあり、そこが気になったので、ダラダラと書き連ねましたが、まあ一個人の意見なので、いろいろな見方があっていいと思いますし、好きなもんはしょうがないです。id:yama6059:20041215さんの、「多少なりとも声優に詳しい者としては、本業以外の活躍に惑わされずに、声優を語っていこうということですかね」って所は共感するなー。CDやラジオといった、ビジュアル的な感想の割合が多いのは事実です。